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桐野夏生文学紹介1 読書の秋

こんにちは。osuoureimaruです。読書の秋が近づいてきましたね。今回は私の趣味の一つである読書について書こうと思います。
 皆さんは作家の桐野夏生先生を御存じでしょうか?有名な作品として、「OUT」「グロテスク」などがあります。私は桐野夏生先生の本が大好きです。この方の書く作品に向いている人は性根が腐っている人です(笑)。人生を楽しんでいるウェイ系には向いていません。おそらく理解できないでしょう。桐野夏生先生は、人間の心の黒い部分を巧みに表現しています。それが理解できるのは、同じく心が黒い人間です。
 今回は、「緑の毒」と、今年の2月に発売された「路上のX」を紹介しようと思います。この二つは、桐野夏生先生の本を初めて読む人におすすめです。全体的にわかりやすくて読みやすいです。




 「緑の毒」

 昼は開業医。夜は連続レイプ犯。レイプ被害者の女性たちが結束して男を追い詰める。暗い衝動をえぐる邪心小説。
 私は通学電車で読んでいました。桐野夏生先生の作品には必ずと言っていいほど、頭のおかしな男やクズ男が登場します。その男たちに影響される女性の苦悩を巧みに表現しているんですよね。現代社会に隠れて鬱憤している、男性がいて女性が存在する構造を暴いています。この本は気軽に読めますが、最後の終わり方が私は好きです。是非読んでみてください。





「路上のX」

 両親の失踪によって、学校生活も当たり前の日常も失った女子高生・真由。渋谷の街で一人生きていこうと決意するが、JKビジネスのスカウト、バイト先でのレイプと、苛酷なサバイバル生活が待ち受けていた。10代の現実を活写する社会派エンターテインメント。
 私は大学で社会学を専攻していますが、桐野夏生先生の文学は社会学と密接に関わっています。現代社会の闇を写実的に書いているんですよね。この本は、その闇の中でも10代の女子に焦点を当てています。いまや日本では、お父さんお母さんがいて、毎日ご飯を食べることができ、学校にも通い、受験にも挑戦できるごくありふれた一般的な幸せ家庭に生まれた子どもがほとんどです。しかし、どの時代にも当たりまえを享受できない子どもは存在します。現代で、行き場を失った女子たちが世の中を生き抜くために、自分たちの知恵と足でもがくサバイバル小説です。やはり、この本に登場する男はクズばかりですね。男は欲望の操り人形だと改めて認識しました。是非読んでください。